ロード・オブ・ドッグタウン

監督■ キャサリン・ハードウィック(『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』)
製作総指揮■デヴィッド・フィンチャー(『ファイト・クラブ』)
出演■ エミール・ハーシュ(『イノセント・ボーイズ』)
     ヒース・レジャー(『ブラザーズ・グリム』)
公式HP こちら

  70年代前半アメリカにおいて、スケートボードに斬新なスタイルを持ち込んで一世を風靡した「ZーBOYS」たちが走り抜けた日々。
  脚本を、作中ではさらさらの長髪でジョン・ロビンソン(『エレファント』)が演じるステイシー・ベラルタが担当。まさに当事者。これ以上のリアルもない。
  監督は『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』で名を上げた女流監督キャサリン・ハードウィック。女性的イメージを覆し、辛口の青春を淡々と描き出した。
  『ブラザーズ・グリム』の気弱なインテリ兄貴役とはうって変わった、ワイルドなサーフボード屋の店長役で好演するのが、ヒース・レジャー。見直した。
  そして、何よりも映画を熱くさせるのは、疾走するスケートボード。乗っている者の視点で滑り出す映像には、興奮を覚える。繰り出されるアクロバティックなワザの数々も見物だ。
  いつもシネマ・ツーの外の階段で滑ってるスケボー少年たちよ、許してやるから観に来いよ。いいぞ、これは。  

 

 このギラつきの無さはなんだろう? 観終わった後、不思議に思った。この奇妙な感じは、しばらく心に引っかかっていた。
  「Z−BOYS」たちは金持ちの家の、水のないプールに忍び込み、その湾曲した底面を使って、今で言うハーフパイプのようにして滑った。それが新しいスタイルを生み、彼らはあっという間にセレブへの道を突き進むのだが、この、駆け上がるステップにおいても、不思議とこの映画はギラつかない。酒も麻薬も乱交も思いのままに遊び倒すのだが、しかしそのどれにも、それほど執着も依存もしていない(ように描かれる)。
 通常は青春映画ジャンルの肝とするのが定石の、恋愛についてもいやにあっさりしている。
  この疑問は、監督を知って氷解した。なるほど、女性だったか。そうでなければ、こうはなかなか描けない。男性なら「少年だったあの頃」への思いを引きずらずにはいられないからだ。
  いい意味で「それ」がない肌触りの良さ、これがこの映画の魅力だ。



時間表はこちら
http://cinemacity.co.jp/webReservation/calendar.do

『ロード・オブ・ウォー』(R-15) 
『ふたりはプリキュア マックスハート2』
『甲虫王者ムシキング/超星艦隊セイザーX』
『ブラックジャック』  『ディック&ジェーン』
『ザスーラ 吹替版』  『あらしのよるに』
 

『THE有頂天ホテル』 『プライドと偏見』 
『ロード・オブ・ドッグタウン』
『るにん』(R-15)  『疾 走』(PG-12)
『スタンド・アップ』(R-15)
『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』

vol.3 興行

 映画と格闘技イベントって、共通点があるように思う。まぁ、同じ見せ物だから当然といえば当然だけれども。なんだか観ている側からすると、どちらも同じような思い入れで観てるんじゃないだろうか? ストレスが溜まったから、コメディ映画で笑いたい。泣きたいから、純愛モノ。自分の中の男を確認したいから、男同士の殴り合い。感涙にむせびたいから、男の生き様を間近で観る。
  好きな俳優が出るからその映画を観る、出来ればその俳優が良い演技をして欲しい。好きな選手が出るからその格闘技イベントに行く、出来ればその選手に勝って欲しい。
 (ここからは、格闘技に詳しくない人ごめんなさい)
  ようは、ピーター・アーツのハイキックは『地獄の黙示録』のナパーム弾に匹敵する威力だし、角田信朗のペーソスはモーガン・フリーマンのそれと同じ。『レザボアドッグス』の後半はいわゆる猪木・アリ状態。桜庭和志のサービス精神は、もはや記者会見のジョージ・クルーニーの域に達しているし、『ポリスアカデミー』のババ・スミス(ハイタワー役)の身長はジャイアント・シウバとほぼ同じだろう。スティーヴン・セガールにいたっては映画も格闘技も両方いける。目がそう語っている (ジャン=クロード・ヴァン・ダムも)。
  別に主役じゃなくとも、寅さんの日常として存在するタコ社長と同じ感覚で、ウッチーや浅草キッドや谷川貞治を眺めてしまうし、高田延明のあばれ太鼓は、カイル・クーパーのタイトルバックと同じ効果を発揮する。楽曲の使い方も映画と同じ。ここぞって時に使われる。確かに格闘技でも『アルマゲドン』や『コン・エアー』やらが、やたら良いタイミングで流れたりするし、『スピード2』の小室哲哉氏のバージョンにいたっては桜庭が使用しなかったら、日の目を見なかったじゃないだろうか。
  同じ空間に同じモノを観たい人が集う。沢山の椅子が整然と並ぶ。非日常的な場所で自然とテンションが上がる。最高に面白い映画もあれば、最高にしょっぱい(つまらない)大会もある。重いテーマの映画もあれば、セメント(真剣)勝負もある。野外上映会もあれば、巌流島もある。そういう事全てが興行なんですかね。まぁ、もうウッチーは観られないんだろうけどね。

また映画館で会いましょう!

 第1回上映、正式発表が遅れております。なかなか宣材(ポスター、画像データなど)が届きませんもので、すみません。先週号お読みでない方のために補足しておきますと、作品は『サウンド・オブ・ミュージック』で決まっております。上映は、かなり遅れてしまうのですが、2月18日(土)〜2月24日(金)の1週間を予定しております。

  もう一つ、嬉しいお知らせがあります。「映画を愛するひとのために、シネマシティができること」と銘打ったシネマシティズンは、期待を裏切りません。なんと今回の上映は、入場料金一般の方1000円で、そして驚くべきことにシティズン会員の方には

500円

  でごらん頂くつもりでおります! すごいでしょう? さあ、盛り上がって参りましたシネマカウンシル。次回テーマは今回の「真逆」でいきます。いきなり壊しますよ。
「シネマカウンシルってあれ、古い名作映画かけるんだろ?」
 と思いこまれていた方、いやいや、そんな甘い考えではおりません! 現在鋭意交渉中! 近日中の正式発表をお待ち下さい!

 
 いくら記録的な寒さであろうとも、正月休みになれば、映画館はぱっと華やぐ。空いている劇場でゆったり観るのもいいけれど、埋まっている座席のざわめきと熱が心地よい時もある。劇場の空気が、作品をより高めることは確かにあるからだ。
 しかし、たくさんの人が出入りすれば、必然、劇場には落とし物、忘れ物も多くなる。年始から忘れ物と言うのも気の毒な話だ。そのほとんどはハンカチのたぐいで、それくらいならまだ良いものの、もっと大切なものの場合もある。

  その日も、いつものように劇場の掃除をしていた。満席近くの劇場ともなると、ゴミの量も半端でなければ、忘れ物も一つや二つではない。限られた時間ですませるためには、素早さが命である。ほうきで散らばったポップコーンを掃き出しながら、手袋にマフラー、くしゃくしゃになった白いハンカチ、といった忘れ物を拾っていく。
「…えっ!剛山さん、それ!」
 不意に背後で尋常ならざる女性スタッフの声がした。振り向けば、僕を指さしてひきつっている。何が起こったというのか。
「手、手の…」
  彼女の視線と指先は、僕の手に握られているものを指していた。異様な雰囲気に、恐る恐る腕を上げて確認する。顔に近づけて凝視すると、はっと胸を突かれた。
 …それは、ハンカチではなく、純白のパンティであった。
「やっ、俺のじゃねえよ!」
 当たり前である。

 なぜそのような大切なものを落とされたのか、いまだもって不可思議である。念のため記名がないか調べようとも思ったが、色々考えるところのあり、やはり思いとどまった。
表紙の顔 … 

三谷幸喜。三度目の映画監督挑戦。『ラヂオの時間』『みんなのいえ』と巧みな脚本が光る秀作を完成させたが、大ヒットはまだ。今回『THE有頂天ホテル』の夢のようなキャストで、三度目の挑戦をする。

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