オカンの嫁入り



(C)2010「オカンの嫁入り」製作委員会


監督・脚本■呉美保(『酒井家のしあわせ』)
原作■咲乃月音(「さくら色 オカンの嫁入り」宝島社文庫)
出演■宮崎あおい(『ソラニン』)
■■■大竹しのぶ(『シュアリー サムデイ』)
■■■桐谷健太(『BECK』)
■■■國村隼(『アウトレイジ』)
配給■角川映画






 「プロポーズを受けることにしました」

 母一人、娘一人で仲良く暮らしてきた家に、ある夜入り込んできたのは、金髪リーゼントの若い男。
 母のまさかの宣言に、戸惑い激しく反発する娘。
 かくして大阪を舞台に、おかしくもせつない心温まるドラマが幕を開ける。

 いまや国民的女優となった、結婚してますますかわいくなっていくという奇跡の女優宮崎あおいが娘、そして母親が問答無用の名優大竹しのぶとあれば、この共演を見るだけでも入場料の価値あり。
 このふたりに共通するように思えるある種の「無垢さ」や「稚気」が合わさって生み出される、まるで素のように無防備な母娘間の空気がすばらしい。

 監督・脚本は注目の若手女性監督呉美保(おみぽ)。西川美和監督、タナダユキ監督らと並べられるべき実力。派手さやこれみよがしに頼らない、丁寧で真摯な仕事が心地いい。

 ほかの出演に最近でづっぱりの桐谷健太、そして脇をがっちり固めるのは名優國村準と絵沢萌子。
 それぞれに大変に素晴らしい仕事ぶりで、夕方には空が秋めくようになったここのところ日々にぴったりの、じんわり心にしみる佳作。

 
 
  〜9/10(金)
 


キャタピラー
R15+


仮面ライダーW
(2D)


ヒックとドラゴン
(2D/吹替)


ソルト



 
  〜9/17(金)
 


きなこ
見習い警察犬の
物語


怪談レストラン


ベイブレード




 
    9/11(土)〜
 


バイオハザード4
3D 字幕/吹替
PG-12
10日(金)から


君が、踊る夏


悪人



 
    9/18(金)〜
 


食べて、祈って
恋をして
17日(金)から


THE LAST
MESSAGE
海猿
2D/3D


ミックマック



 
    9/25(土)〜
 


TSUNAMI ツナミ
吹替のみ


十三人の刺客
PG-12


おにいちゃんの
ハナビ


君に届け


 
    10/2(土)〜
 


ガフールの伝説
3D
1日(金)から


大奥
1日(金)から


シングルマン


七瀬ふたたび


 
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今週はお休みです。
 



 今週のリコメンドは『オカンの嫁入り』だが、今週末の僕はといえば「妹の嫁入り」であった。

 式場は、軽井沢の伝統ある小さな教会で、近親者だけの慎ましい式であった。

 映画で結婚式が題材の場合、多くはそれを機に家族が関係を見直すきっかけとなるというストーリーだ。『オカンの嫁入り』がまさにそうだし、デンマークの天才女性監督スサンネ・ビアの『アフター・ウェディング』もそうだ。また古くは小津監督の作品にその手のものがいくつかある。

 だが現実はそうは面白くならない。

 僕は妹とは決して不和ではないが、まだ中学高校のころから気恥ずかしさというのかなんなのか、いわく言いがたいエアカーテンのようなものが立ちはだかり、おそらく十数年、まともに話していない。

 なにしろその結婚相手とも一度も会ったこともないし、名前も、年齢も、なにをされている方なのかも知らない。
 上京してきて、盆も正月もない商売をしているとそうなりがちで、さほど珍しくもないと思っているのだが、どうなのだろう。やはりひどい兄だろうか。


 唯一、ムリに映画的瞬間を探せば、新郎と僕の誕生日が同日という偶然で、その日を式の日に選んだため、披露宴中にいっしょにケーキをいただき祝ってもらったことだ。
 このサプライズは嬉しいものだったが、だからといって妹とそこで話すという場の感じでもなく、粋なスピーチをしたわけでもなく、ろうそくの火を新郎とともに吹き消して、それでおしまいとなった。

  式の途中から、従兄弟らの子どもたち6人にやたらとひっぱりだこになり(なぜか僕はたいていの子どもにむやみに好かれる。原口画伯いわく存在がマスコットキャラのようなものだから、らしい。それはお前のほうだよと言いたい)、あっちこっちにひきずられて、時に会場からすら抜け出して走り回っていたため、式はそのうちに終わった。

 終わってますます子どもたちに囲まれ、最後の見送りの時もまともに挨拶もできず、結局帰るまで機会は訪れなかった。

  近親者だけの集まりということで、いわゆる「受付」もなかったため、僕は祝儀を渡すことさえもうまくできず、しかたなく人目のないところで他からいただいたものを包んだ中にこっそり混ぜておいた。


 また今回も話さなかったが、言葉を介さなかったというだけで、コミュニケーションはあったように思う。
 解決すべきしこりもないし、悪感情もない。むしろ喜びがあるだけである。
 だからドラマは生まれないが、心は平穏だ。

 たとえ映画的でなくても、日々は、それでいい。
 必ずしも良いシナリオが、良い人生ではない。 どうしても模倣しがちではあるけれども。
 
今週の顔

ポール.W.S.アンダーソン監督。似たような名前で、ポール・トーマス・アンダーソン監督がいてこっちは90年代後半から00年代頭には『ブギー・ナイツ』と『マグノリア』でカルチャーヒーローとなったが、剛山個人的にはなぜかW.S.のほうが好きだ。私的傑作『イベント・ホライゾン』があるからである。話がズレてしまったが『バイオ・ハザード4』10日よりスタート。3Dにて上映なので、ぜひ。

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