火天の城




(C)2009 「火天の城」製作委員会

監督■田中光敏(『化粧師 kewaishi』)
美術監督■西岡善信(『たそがれ清兵衛』)
出演■西田敏行/大竹しのぶ/椎名桔平/福田沙紀
■■■寺島進/山本太郎/西岡コ馬
配給 ■東映





 山一つ丸ごと城にせよ。
 しかも、天守は五重、中は大聖堂のように吹き抜けにしろ。

 織田信長が命じた城は、とてつもない規模と、とてつもない構造のものであった!
 このかつて誰も手がけたことのない城作りに挑むのは、熱田の宮番匠、岡部又右衛門以言。番匠冥利につきる一世一代の大事業に、岡部は文字取り命を懸けて取り組む。

 主人公岡部に西田敏行、影で支える妻に大竹しのぶ。信長には椎名桔平、苦悩しながらも仕事人としての意地を見せる大工たちに寺島進、山本太郎など。
 監督は『精霊流し』の田中光敏。美術監督には『炎上』や『たそがれ清兵衛』で見事な仕事を見せる世界の西岡善信。原作は「利休にたずねよ」などで知られる山本兼一の同名小説。

 城作りに焦点を当てる、ユニークな時代劇。豪華演技陣と着想の面白さで見せる、なかなかのエンタテイメントだ。
 ちなみに「火天」とは、仏教の十二天のひとりで、火の神のことである。

 
 



 今作には正直、細かい点では言いたいことがいくつかある。
 にも関わらず、大枠においては面白く観たのは、題材のせいだ。

 面白い映画のカタチに絶対はないが、そのひとつはドラマの方向がビシッときまっていてブレない、ということだ。何がなんでも親の敵を倒す、とか、この大会で優勝してみせる、というゴールが明確な作品は、観客も気分を乗っけやすい。
 さらに、もうひとつ。映画の中で何かが完成していく、という要素も観客の心を捉えやすい。
 レストランを作り上げる過程を描いた名作『我等の仲間』とか、画家とヌードモデルの関係をスリリングに描いた『美しき諍い女』とか、芝居を作り上げていく『ブロードウェイと銃弾』などなど傑作多数。とにかく「何かを作り上げる」という行為に人は惹かれるものだ。完成した姿を見てみたい、という興味を引っ張ることもできる。
 さらに前述の通り、ドラマの方向がブレないこともあって、この手の映画は上手くいくことが多い。

 出来あがるのが小さな家ではなく、巨大な城、というのも熱くさせる。
 観客の想像より、完成したものがより上回っていたとき、この手の映画は本当に成功するのだ。

 
 
  〜9/18(金)
 


ナイト
ミュージアム2
(吹替)


トランスポーター3
アンリミテッド


96時間


ハリー・ポッター
と謎のプリンス
(字幕版)


 
  〜9/25(金)
 


ホッタラケの島
遙と魔法の鏡


ハリー・ポッター
と謎のプリンス
(吹替版)


アマルフィ
女神の報酬


サマーウォーズ
延長決定!
上映継続します


 
    9/19(土)〜
 


ココ・アヴァン
シャネル
18日(金)から


男と女の
不都合な真実
18日(金)から


カムイ外伝


劇場版デュエル
マスターズ


 
    9/26(土)〜
 


空気人形
R15+


のんちゃんのり弁





 
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↑心が消えかけたすべての女性に是枝監督が贈る、さみしい空気人形の恋のゆくえ。




第22回テーマ オータム・クラッシック 甦る日本映画編

 さあ、盛り上がってまいりました、第22回シネマカウンシル。
  断トツにトップを独走するのはやっぱり『羅生門』!!
 それを追うのは『二十四の瞳』、そして『無法松の一生』です。
 さてどちらが勝つか? 決めるのはあなたです。

 いよいよ締め切りは9月18日(金)までです。さあ、投票を! 


クリックで投票画面に。
途中結果もこちらから見られます!

『羅生門 デジタル完全版』 ブルーレイ・ディスク発売中 ¥4,935(税込)
発売■角川映画 販売■角川エンタテインメント
『夫婦善哉』 DVD発売中  ¥4,725(税込)   発売元・販売元■東宝
『無法松の一生』 DVD発売中  ¥4,725(税込)  発売元・販売元■東宝
『二十四の瞳 デジタルリマスター2007』 DVD発売中  ¥3,990(税込)
発売・販売元■松竹株式会社 映像商品部

 
 


vol.9 NASAへ。

今号は前回の予告通りにNASA旅行記。
もはや「映画館のメルマガなのか?」とい疑問符が点灯です。

旅は真の知識の大きな泉である
〜ベンジャミン・ディスレーリ

僕にとっては初の海外旅行。
写真1
映画『宇宙へ。』を観終わった勢いそのままに、
アメリカはフロリダのケネディ宇宙センターまで
ノコノコと出向いてみたわけで(写真1)
さすがに、アメリカ宇宙科学の中心地。
その敷地は広大で、ケネディ宇宙センターのゲートをくぐって
そこからさらに10分は車を走らせ、ようやく建物が立ち並ぶ一角に到着。
あまりの遠さとこれからの決戦に備え、車を降りて即トイレに駆け込んでみた。
(さすがNASAトイレにも冷房がガンガン効きまくり)

さてここからが本番。
NASAマニアを自負する僕にとっては
隅から隅まで一つも細部まで見逃さない臨戦態勢にてセンター内へ、
もはや挙動不振の日本人状態。早速セキュリティーにて制止される。
『ドコから来たんだ?』(厳しい時のフォレスト・ウィティカーのように)
『ジャ、ジャパン』(サビを噛んだヒロミゴーのように)
『オー、コニチハー』(大体アメリカ人は日本人だとわかるとこう言います)
NASAから数多くの日本人宇宙飛行士が
飛び立っているだけあって日本人には優しい感じ。
ありがとう毛利さん、ありがとう向井さん、そしてありがとう秋山さん。
そんなこんなで、無事セキュリティーをパス。

写真2
まず向かうは、スペースシャトルを中心とした展示エリア。
細部まで見逃すまいと思ってはいたけれど、
いやいやどうして見逃すはずのない、いきなりのオービターの登場(写真2)
さらにその横にはロケットブースタ(写真3)
写真3
※マメ知識
【世間的には、この飛行機の形をした機体をスペースシャトルと呼びがちですが、
実際はオービターとロケットブースタがドッキングしている時が『スペースシャトル』と呼ばれるんでありますね。こんなところがNASA萌え。】

それにしても大きい。
何と表現したらいいかわからないけれども、例えるなら
国立科学博物館前のシロナガスクジラ×2くらいと言った感じか(何とも微妙な例え)。
それほどまでに、畏怖の念を抱かざるを得ない堂々とした存在。
普通なら、「所詮人間はちっぽけな存在だよなあ、でもこれ作ったのも人間なんだよなあ」なんて軽く哲学的に思うんだろうけれども、
NASA萌え真っ只中の僕的には、「わあ、これ乗りてえ〜」。
そんな考えを持つ人が多いのか、いかにも冒険野郎アメリカンな乗りなのか
NASAもわかってらっしゃる。オービタ展示のすぐ近くには、
「Shuttle Launch Experience」なるアトラクションが。
これは、まさにスペースシャトルに乗り込み、打ち上げから宇宙到達までを
シュミレーション出来るライド型体験アトラクション。
「これに乗らずに帰るのは、ここまで来た意味がないぜ、サムライボーイ」
などとNASA職員に言われるまでもなく、入場。
写真4
エントランスに入ると、さすがエンターテイメント大国アメリカ。(写真4)
日本の博物館のそれとは違いもはや、『スタートレック』的空間にまずテンションアップ。
(さらにここでも さすがNASA。冷房がガンガン効きまくりで宇宙空間を表現か?)
ここで、スペースシャトルの打ち上げまでの準備、
発射のメカニズムを英語にて説明される。言ってる事は少しわからないけれども、
「ともかく、これから大変な体験が出来るんだぜ、サムライボーイ」
とNASA職員に言われるまでもなく、搭乗。(写真5)
写真5
オービター内部に入ると座席が40席ほどあり、個々がシートに座り
安全ベルトを締めると、椅子が90度バタンと倒れ、仰向けで寝ている状態になる。
もうこの段階でテンションMAX。
「もし『スペースキャンプ』みたいに本当に打ち上げられたらどうしようなんて不安と、主演のリー・トンプソンって『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のお母さん役だったよなあ」なんて事を考えていたら打ち上げ開始。
ゴーゴーという轟音と共に後ろ(厳密に言うと下)に押し付けられる。
さらには、椅子のヘッドレストから背中の部分にかけて、
強力なマッサージ器のような振動。そして、あっと言う間に『宇宙へ。』。

「これが打ち上げか」。感動。この一言。

普段はどう考えてもそうならない体勢で、普段では体験出来ない振動。
本当の打ち上げには到底及ばないのだろうけれども僕にとっては大変貴重な経験だ。
もはや、ケネディ宇宙センターはここだけで十分ではと思える感たっぷり
であったけれども、これをさらに超える経験が宇宙青年ハラグチを待ち構えているとは。

次回『驚愕のバスツアー』へ。




  『沈まぬ太陽』(←力作!)の試写を朝日ホールで見せていただいたあと、ネクスト・ボスに銀座にある「モーリバー」に連れて行ってもらった。


  僕は飲むといったもっぱら「蕎麦屋で日本酒」なので、バーはほとんど行ったことなく知識も全然ないのだが、ネクスト・ボスは無類の酒好きで、やたらと飲み歩いているらしく、バー業界の人脈なんかにも妙に詳しい。映画には全然詳しくないくせに(笑)。

 そんな彼が「日本で最高のバーのひとつ」というのが「モーリバー」。ビルの10Fにあるのだが、わかりやすい看板もないので一見さんにはちょっとハードルが高いかも知れない。とはいえ店内に入ると変に気取っているわけでもなく、僕のような若輩者でもリラックスできる親しみやすい空間であった。

 カウンターに腰掛けると、さっと湯飲み茶碗が供されて、やけに少量の温かいお茶が入っている。なぜこの量? っていうか、バーでお茶? まあいいかと口に含んで驚いた。塩辛いのである。え、塩昆布茶ッ!? いや違う、コンソメスープだ。
 さらに小皿にて出てきたのは、かっぱえびせんにおしゃぶり昆布に柿の種という、なんともアットホームなおつまみ。「銀座の隠れ家的超一流のバー」というイメージを180度裏切ってくるいきなりの展開に、一気にこの店に惚れてしまった。こういうのが本物の店というものか、と妙に納得した。

 さてまずは泡モノからいただこうと、僕はジンバックをお願いする。なにしろジンジャー好きなのだ。ネクスト・ボスはいきなりマティーニだ。モーリバーと言えばマティーニらしい。
 しばらくして出てきたグラスは、デカっ!! 以前から聞いてはいたのだが、このモーリバー、とにかく一杯の酒量がふつうの倍以上ある。
 さっそく、と一口のんで「あっ」と思った。酒の冷たさ、甘み、透明感がきりっと伝わってくる。そう、コンソメスープの効果である。口の中が、酒と真逆になっていたのだ。なるほどなあ。

 やっと飲み終わったら、夕飯も食べずに飲み始めたこともあって、すでにほろ酔い。ふとしたきっかけで、隣席の四十代前半くらいの男性と会話が始まった。
 
 「僕の座右の銘は一期一会なんです」

 いや、まったくおっしゃるとおり、出会いこそ人生を豊かにする一番のスパイスです、なんてなんの意味もないような受け答えをしていたが、驚くことにその方は、なんとインドネシアのなんとかいう島の地図をお作りになったのだという。

 おお、インドネシアの伊能忠敬ですか。面白いこと言うね、君。測量に次ぐ測量で、実に地味な作業なんだけど…でも地図には僕の名前が記されているんですよ。

 長々と書くわけにもいかないが、実に面白い話を聞かせていただいた。
 この方はかなりの常連らしく、数名のバーテンダーに、さりげなくマティーニをご馳走していたのもカッコ良かった。

 僕は人見知りなので、人との出会いというのは苦手なほうだが、それでもこんな素晴らしいこともある。
 なんか映画館をこういう場所に出来ないものかなあ。難しいとは思うけど、それは素敵なような気がする。劇場の一期一会。

 盛り上がりすぎて、その後、ギムレット、マティーニ、モーマティーニと四杯も飲んで…つまり普通の量で考えたら8杯以上も飲んで、ベロベロになって帰途についた。

 よってもちろん今日は二日酔いである。まだちょっと頭痛い。良いことは、痛みを伴うものだ。

今週の顔

白土三平。日本を代表する漫画家。『カムイ外伝』いよいよスタート。
また代表作のひとつ「忍者武芸帳 影丸伝」の復刊もスタート。これは見逃せない。

ご意見、感想お待ちしております … seek@cinemacity.co.jp  

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