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ウォンテッド

監督■ティムール・ベクマンベトフ(『デイ・ウォッチ』)
原作■マーク・ミラー/J.G.ジョーンズ
音楽■ダニー・エルフマン(『スウィニー・トッド』)
出演■アンジェリーナ・ジョリー(『マイティ・ハート』)
■■■ジェームス・マカヴォイ(『ペネロビ』)
■■■モーガン・フリーマン(『ダークナイト』)
配給■東宝東和
公式HP



 古(いにしえ)から続く、世界の均衡を保つために活動する暗殺集団「フラタニティ(組合)」。
 その組織から裏切り者が現れ、組織の仲間を次々と殺し始める。それを止められるのは殺されたナンバー1の殺し屋の息子しかいない。だがその男はヘタれでしがない普通のサラリーマン。こいつをたたき直すために女殺し屋フォックスが派遣される。

 『ナイト・ウォッチ』『デイ・ウォッチ』と剛山絶賛、SEEKで繰返し取り上げてきたロシアSFアクション映画の鬼才、ティムール・ベクマンベトフ監督のハリウッド進出第一弾。いきなり全米で大ヒット! 剛山はその才能を見抜いていたッ!
 フォックスを演じるはアンジェリーナ・ジョリー女王様。男なら誰しも夢見る「激エロ女鬼教官からのきついおしおき」をカンペキに体現。しかも走る車のボンネットに寝転がっての銃撃戦をノースタントやってのけるというプロ根性にシビれる上に、『ベオウルフ』に続いてあられもない御姿をお見せくださって、ありがとうございます。タトゥーな背中にぞくぞく、引き締まった生美尻に合掌。
 ポスターにもまともに出してもらえない主人公のボンクラにジェームス・マカヴォイ。スターの華やかさには欠けるが、なかなか見せる芝居をする役者だ。そして暗殺集団のボスにモーガン・フリーマン。間違いのない威厳はさすが。
 銃弾の弾道を手首のスナップ(?)で自在に曲げられるという超絶技巧を持つ暗殺者たちのバトルは前人未踏の領域! 絶対必見!

 
 



 いくつもの「革命」によって、アクション映画の表現は進化してきた。
 例えば誰でも知っているのは『マトリックス』の「バレットタイム」。映っている対象が静止しているのに、高速でカメラが回り込む例の映像だ。
 他にはジョン・ウーの舞うように振り付けられた二丁拳銃での銃撃戦とか、複数人がそれぞれに銃を向け合って対峙するというような演出はいまだに銃撃シーンに影響を与え続けている。
 そしてこの『ウォンテッド』ではまた、革命を起こすのに成功した。ひとつは重力とか慣性の法則とかを無視して、完全にリミッタを振り切った、乗り物(とりわけ車)のアクション。かつて『ロード・オブ・ザ・リング』で名を挙げる前のピーター・ジャクソン監督がホラー映画で同様の「やりすぎ」表現でグロテスクを爆笑に変換してみせたように、ベクマンベトフもいわゆる「マンガみたいな」というレベルを越えたアクションを展開し、圧倒的な迫力で笑わせる。これは監督の前作『デイ・ウォッチ』にものすごいのが出てくるので、未見の方はせめて予告編でもご覧頂きたい。
 もうひとつの革命は、新奇というより、よくぞここまで突き詰めたというもので、とにかく瞬間を長く長くのばし、細部を極端に拡大するのだ。これで超高速の世界を描き出す。
 銃身を飛び出した銃弾のその一発一発をこれほど丹念に描いた作品もあるまい。そのことで「銃弾による剣戟」という思いもよらないシーンが生まれたのだが、これがどういうことかは観てのお楽しみ。
 とにかくベクマンベトフ、これからの最重要チェック監督にリストインである。すでに『ウォンテッド』は3部作にする予定というニュースも流れてるし。

 
 

 
*変更の可能性があります      
    〜9/26(金)
 


落下の王国


シャッター PG-12


ラストゲーム
最後の早慶戦


闇の子供たち
 
    〜10/3(金)
 


イントゥ・ザ・ワイルド


フライング
ラビッツ


セックス・アンド
ザ・シティ


 
    9/27(土)〜
 


イキガミ


花は散れども


アイアンマン
(字幕/吹替)


最後の初恋
 
    10/4(土)〜
 


三本木農業高等
学校、馬術部


容疑者Xの献身


さらば仮面ライダー
電王


宮廷画家
ゴヤは見た
 
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  今週は剛山の番ですが、木村弓コンサートのため、コラムの準備ができず、来週に回します。
 
  申し訳ございません。

 


 木村弓コンサート、大盛況!!
 おかげさまで2ステージともほぼ満席のお客様にいらっしゃっていただき、成功に導くことが出来ました。
 小さいながらステージを作り、どっさり機材を入れて照明をたけば、いつもの劇場とは思えない華やかなステージに。これには感激。

 すみれ会の方はもちろん、星槎(せいさ)国際高等学校の生徒さんや立川まちおんで活躍している女性2人もボランティアスタッフとして駆けつけてくださり、どなたも安心して音楽にひたれるコンサートになりました。シネマシティだけではとてもここまでこぎ着けることはできません。ありがとうございました。

 すみれ寮の方は、障がいを持った方がうるさくしてしまうんではないかとか、小さなお子さんがぐずったりするのではないか心配されてましたが、実際はほとんどそういうことはなく、静かに演奏を楽しんでいました。
 
 それでも、演奏が始まったとき、肌で感じるくらいにざわっとなった瞬間があったのです。
 澄んだ竪琴の音色から始まるその曲は「いつも何度でも」でした。
 
 『千と千尋の神隠し』が大好きなのでしょうか。あるいは今日この日のために見直したり、聴き直したりしたのでしょうか。
 知っている曲がかかって、楽しそうに身体を揺らしている子どもたちやすみれ寮のみなさんの姿をみて、音楽の力をあたらめて知りました。

 ピアニストとしていらっしゃってくださった中川俊雄さんは映画やCMの作曲家として知られた方で、ご自身がお作りになった「黒烏龍茶」の曲を即興アレンジでリズミカルに演奏して下さいました。とっても柔和で愉快な方で、楽屋は楽しいムード。とっても売れっ子作曲家とは思えないフランクさでした。

 セットリストの最後の曲はゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンの名唱で知られる「I believe」。

 I believe for every drop of rain that falls A flower grows
 I believe that somewhere in the darkest night A candle glows
 I believe for everyone who goes astray, someone will come To show the way
 I believe, I believe

 私は信じる 落ちた雨粒は花を育てると
 私は信じる 闇夜でもどこかにろうそくが灯っていると
 私は信じる どんな道に迷った人もきっと 誰かが手をさしのべてくれると
 私は信じる 私は信じる

 
 この美しい歌詞と旋律をもった歌を、木村弓さんはその小さく細い体躯からは思いもよらぬ力強さで朗々と歌い上げ、その包容力で劇場を包み込んだのでした。
  強く優しい響きは胸を震わせ、きっと涙をこぼしたのは剛山だけではないでしょう。
 
 だから僕もまた信じたい。音楽の力を。
 そしてまたいつか、その力を劇場の暗がりに放つことができる日が来ることを。
 
 
  今回参加できなかった方も、そのときはぜひ。どうぞ応援よろしくお願いします。

今週の顔

北野武監督最新作『アキレスと亀』上映中。
解説するのも野暮だが、原口画伯の絵が「自然主義」なわけもなく、ただこれは「そのまんまじゃないか!」というツッコミのアカデミックな表現である。

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