クラッシュ

監督■ ポール・ハギス
出演■ ドン・チードル(『ホテル・ルワンダ』)
     サンドラ・ブロック(『スピード』)
      マット・ディロン(『メリーに首ったけ』) 
公式HP http://www.crash-movie.jp/
 この作品は本来ミニシアター系上映のところ、ぜひ皆様にご覧頂きたく引っ張ってきました、シネマシティが自信を持ってオススメする作品です。必見!

 『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家ポール・ハギス初監督作品。TVドラマ出身。
  クリスマス近くのある2日間に、ロサンジェルスを舞台に複雑に交錯する人間模様を描いた群像劇。
  出演はドン・チードル、マット・ディロン、サンドラ・ブロック、ブレンダン・フレイザー、サンディ・ニュートンなど。
 人種問題を主柱に、車を「コミュニティの壁、心の壁」というはっきりとした強い比喩として描き、その衝突(クラッシュ)を連鎖させながら物語が紡がれる。
 驚かされるのは、まず圧倒的な映画的テクニックである。といっても、奇抜なカメラワークや、風変わりなヴィジュアルのようなこれ見よがしなものではなく、イメージの展開、リズム、映像の的確さの調和が生み出す、揺るぎない力強さのことだ。
  恐るべき新人である。群像劇の巨匠、ロバート・アルトマンの最良の作品たちに匹敵する完成度。全編にみなぎる、船を結わうロープで締め付けるようなエネルギーは、凡百の微温的作品を有無を言わさず蹴散らす。
 
 ポール・ハギス。この名前は記憶せねばならない。

 

 どんな言葉を駆使したら、あなたはこの映画を観てくれるだろう? よく言われる「成功する映画とは、一言で端的に内容を説明できるもの」ということから、この作品は対極に位置する。
 だが、真に優れた作品とは「一言で説明できる」ような単純なモノではないだろう。
 この「単純ではない」ということを作品全体を統べる基本トーンとして、登場人物は皆二面性を持ち、起こる出来事は皆多重の意味を持つ。素朴な価値判断は全て覆される。
  行き過ぎを怖れない露悪的なまでの激烈なドラマ的コントラストと、それを寸分の狂いなく展開させる緻密に過ぎる構成が、仕組まれたオセロゲームのように1コマの無駄もなく、組み立てられていく。白は黒へ。黒は白へ。
 つまり黒は白であり、白は黒でもある。だから次の局面ではそれはすぐに裏返る。「理解」は容易ではない。全ての人間に内面があり外面がある、という当たり前の、しかし見過ごされることの多い真実が突きつけられる。
 収まりのよい答えで満足する安直に流れていない、これは稀有な作品である。だがこの「圧倒」をどうしたらあなたに伝えられるだろう?



時間表はこちら
http://cinemacity.co.jp/webReservation/calendar.do

『風と共に去りぬ』 『RIZE』 
『悪魔の棲む家 PG-12』
『B型の彼氏 吹替版』 
『ホテル・ルワンダ』

 

『サウンド・オブ・ミュージック』
『ナイト・オブ・ザ・スカイ』
『ウォーク・ザ・ライン PG-12』
『アサルト13 要塞警察』 



vol.4 『 クール・ランニング』とピンズとラスティ・スミス

 
 1998年のその日も、いつものようにシネマシティのシャッターを下ろして、終わったのが23時半。急いで身支度を済ませ、立川から夜行列車に飛び乗った。日付は変わっていた。
 一路、NGANOへ。
 車中は、『クール・ランニング』をビデオで鑑賞。ジャマイカン・ボブスレー・チーム。南国気質なのか、彼らは皆、陽気だ。それに合わせて、ハンス・ジマーも良い仕事だった。スチームドラムを多用する事で、ジャマイカの明るさとボブスレーのスピード感を見事に融合させていた。そして、映画のクライマックス。彼らがとった最後の行動。あれこそがオリンピック精神だ。感涙。
 早朝。長野に到着。オリンピックフィーバーとはいえ、早朝は人も疎ら。しかし、駅を一歩外に出れば、そこはまさにオリンピック。色とりどりの国旗、国旗、国旗。
「うんうん。『クール・ランニング』だねぇ」
 午前7時前。早速、徒歩で競技場巡り。とは言え、閉会式前日のこの日。競技を観戦するのがメインでなく、あくまでも建物を見ることに意義がある感じです。現地の人に聞きながら、ビッグハット、エムウェーブと歩く。当然、中には入れないから、遠巻きに眺める。目をつぶると別に歓声は聞こえなかったけど、「へぇーココで、清水や岡崎はメダル獲ったんかぁ」くらいの気持ちにはなった。一気に疲労した。気が付かなかったが、どうやらだいぶ歩いたらしい。タクシーで駅へ。タクシーの中で徒歩で散策した事を話すと、
「タクシー使いましょうよ。オリンピックですし」と運転手。
 意味はよくわからないけど、ごもっともです。ハイ。

 ピンバッチの話。中心部に戻ると、朝には無かった屋台がずらっと並んでいた。そのほとんどが、ピンズ屋。世界中からピンズ屋が集結しているらしい。試しにアメリカ人のピンズ屋に。どれも高い。
「これ下さい」
「3000イェン」
「高いねぇ」
「それはカルガリーの時のだからね」
 結局、長野五輪のピンズを購入。というか買わされた。
 アメリカ人って商魂たくましいなと軽い嫌悪感を持って歩いていたら、交差点でUSAのロゴ入りキャップを被った外国人夫婦に遭遇。目が合ってしまったので、
「良い帽子だね」と言うと、その奥さんが、
「U・S・A!」(以下たぶんそんな事言ってたんじゃないかしら?という会話)
「ところで、我々は善光寺に行きたいんだけど、お前知ってっか?」と旦那さん。
「それだったら、この道を真っ直ぐだ」と僕。
「そうか、真っ直ぐ行けばいいんだな。お前はサイコーにゴキゲンなヤツだったから、これをやろう」と名刺を頂く。そこには、 ラスティ・スミスの事を誇らしく思う母と書いてあった。
  どうやら彼らはショートトラック・アメリカ代表選手の両親だったらしい。別れ際に、
「アメリカに来たら絶対電話しろよ!」と旦那さんが言った。
 嬉しかった。でもよく考えると彼らにとって、僕との記憶は「善光寺」しかないわけで、おそらく僕は「テンプル・ゼンコー・マン」なわけで。電話はできません。スイマセン。
 ちなみに、当のラスティ・スミスは長野では奮わなかったが、続くソルトレークでは銅メダル。今回のトリノにも出場しているとの事。応援してあげて下さい (http://www.rustysmith.com/)。
 最後は選手村。さすがにセキュリティーが厳しい。3時間もウロウロしていたので、警官に2度も職質を受ける。ただ3時間も居たのには訳があった。選手にサインをもらうためである。その数32人。ジャージを着た外国人ならすぐサインをもらう。その中には明らかにコーチもいた。それでも、スピードスケートの白幡やフェルトカンプなど有名選手からサインをもらえた。一番の成果はカナダの女子ホッケー選手。サインと一緒にキャンディーとピンズをもらった。「ここでもピンズか!?」という疑問を抱きつつ、早速キャンディーをいただく。「こりゃ、カナダの味だ」これこそ異文化コミュニケーションだ。これでこそ長野に来た甲斐があった。感涙。包み紙をよく見ると「ハーブキャンディー」とカタカナ。
 夕方。列車まで時間があったので、駅前で一休み。そこにも露店。でもなんだか様子が違う。見ると、売り物はユニフォームやらコート。確実に本物。某国の選手や関係者が売っていた。確か『クール・ランニング』の中でも金策のシーンはあった。映画はオリンピックで終りだけれど、現実では、選手はその後も生活があるわけで。…いろんな意味で「祭り」の終わりの寂しさを感じた。
  そんな僕も新幹線でトンボ返りして、シネマシティにオールナイト上映のため出勤する現実があったわけで。オリンピック。まさに「夢舞台」っと思ったわけです。  

 ご存知ですか? シネマカウンシルの投票は「毎月第2土曜〜第4金曜」に行っていることを。毎月です。気まぐれではありません。
 ですが上映はなかなか定期的というわけには参りません。料金も絶対毎回お安く、というわけにも参りません。そういう縛りを作ってしまうと、企画の幅はグッと狭くなってしまうからです。
 いつか、まだ公開前のアート系作品を、シネマシティ独占で上映しようと考え、皆さんに何がご覧になりたいかお伺いするときが来るかも知れません。その時の上映では通常料金をいただきます。「シネマカウンシル」は安売りのための企画とは考えていないからです。映画ファンの想いを少しでも叶えることが目的です。ぜひ、一緒に楽しんで下さい。

 さて、ところで第3回投票は時節柄、「株式/金融モノ」で行こうという企画もありましたが、いろいろ角が立つのもあれですので、桜が似合う「青春完全燃焼系ムービー!」というテーマを設定しました。3本ともすごくよく出来た作品です。今現在は『遠い空の向こうに』が優勢です。このまま勝ち抜けるかな?  
 
  シネマカウンシルって何?という方は >>こちら
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 先日オープンした「表参道ヒルズ」見物をかねて、渋谷に映画を観に行ってきた。ヴァレンタインのお返しのために軽くHarry Winstonを下見し、その後シネマライズへ。
  『拘束のドローイング9』(Introductionをクリック)という奇妙なタイトルの作品なのだが、先日観た映画のあの人(castをクリック)が出ているとあって、これはまたゴキゲンなダンスムービーに違いないと参じたが、ダンスはダンスでもそこで行われたのは「阿波踊り」であった。
 しかしビョークのエキセントリックな音楽に乗せて繰り広げられる阿波踊りは、改めて映画における「音楽」の重要性を見せつけられる結果となった。
「Cool…」
 僕は思わずつぶやいていたのだ。あの「世界滑稽ダンス選手権」でも常に上位にランクする阿波踊りが、BGMをビョークに変えただけでパラダイム・シフトを起こしたのである。おそるべしは監督マシュー・バーニーとビョークである。
 感心しきりで鑑賞したので、最後の方であの白塗りは人違いだったとわかったときも、落胆はしなかった。確かに今思えば少し痩せたかな、と違和感はあったのだが、なにしろ表情がつかみにくいときてる。

表紙の顔… ピエール・ド・クーベルタン男爵。近代オリンピックの創立者。似てるんだかどうだかもわからなければ、なぜ映画館のメルマガに描かねばならないのかもわからない。コメントも無理矢理である。原口画伯、メチャクチャだ。

ご意見、感想お待ちしております … seek@cinemacity.co.jp 

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